JRAのコレクション

トヨタでありながらトヨタでない。 まさに文字通りのバーチャル・ベンチャー・カンパニーである。
こうしてトヨタの試行が始まった。 VVCの拠点も、既存の枠にはまらないという考えから、若者の集まる街に置こうということになった。
そのため、東京で若者から「サンチャ」と呼ばれる世田谷区・三軒茶屋にオフィスを構え、スタートしたのである。 やがて、このVVCで練られた企画やアイデアが具体化した。
まず、VVCが提案した特別バージョン車(リミックス・シリーズ)が投入された。 これは、ユーザーの注文に応じてクルマを特別仕様するという、かつてのトヨタからは想像もできない画期的なアイデアであった。
「少数であっても、好きなユーザーに受け入れてもらえればいい」というVVC開発ポリシーは、従来のトヨタ八○点主義からの脱却を目指したものだった。 VVCのオリジナル車開発は、二十一世紀における新たな消費スタイルへの適応と、新市場創出を目指す異業種合同プロジェクトによる「Willブランド」で具現化させた。
Willは、トヨタのVVCの呼び掛けによるコラボレーション・プロジェクトで九九年八月に発足した。 トヨタの他、アサヒビール、花王、近畿日本ツーリスト、江崎グリコ、コクヨ、松下電器産業の異業種各社から「Will」シリーズの統一名称のもと、これまでに十八商品が発売されている。
たとえば、共同広告の実施や共同Webサイトの運営、共同プロモーションなどがそれだ。 VVCでは、このWillブランドの第一弾として、若い女性層を意識したシンデレラのかぼちゃ型馬車を思わせる「WillVi」(ヴィッツがベース)を二○○一年一月に投入し、第二弾として、若い男性層を意識した「WillVS」(カローラフィルダーがベース)を四月から投入した。
「トヨタとしてはまだまだニュージェネレーション層に弱いので、VVCの役割は大きい」と、トヨタ国内営業を統括するI副社長もVVCの動きに期待する。 ニュージェネレーション層とは、情報ネットワーク社会の中で能動的な情報選択を行い、自分なりの「こだわり」を大切にする層のこと。

若者向け商品開発の一方で、若者吸引のテーマパーク開設への企画もVVCで進められた。 それが、東京の若者の新たなメッカとなった臨海副都心のテーマ施設「メガウェブ(MEGAWEB)」の建設構想である。
VVCの狙いは、クルマの魅力を実体験できる場を提供し、ニュージェネレーションユーザーとトヨタのコミュニケーション・ネットワークの拠点となることを目指したものだ。 メガウェブは、東京都から一○年限定で臨海副都心の敷地を借り、トヨタ車の全ラインアップ、体験試乗など、「見て、乗って、感じる」新しい体験型施設として九九年三月にオープンした。

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